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『人形』

ゆらりゆらり
波に漂うように
流れに身を任せるそれは人形
数ある玩具の中に埋もれて隠れ
見向きも期待もされない
自身も何も望まず思考せず
諦めきった瞳で俯き加減に
ただひっそりと存在を消すように
身じろぎもせずに座っている

そこは立派な玩具屋さん
人形の周りでは様々な玩具が騒ぐ
店に客が来たのだ
音楽を奏で、愉快な動きをし、鮮やかな色を見せ
各々が自分の仕事をする
人形はよそ行きの顔で背筋を伸ばした
店の品格を落とさぬこと 恥をかかせないこと
何の能力も持たない人形に課せられた
それが唯一の仕事だった

人形は知っていた
周りの玩具たちにどう思われているのかを
何も出来ない、グズで、馬鹿で、無能な
ただそこにいるだけのお飾りなのだと
店主もほとほと困り果てていた
とんだ厄介者を仕入れたものだと
誰も人形を買わない
誰も人形に関心を向けない
せめて邪魔にならぬよう息を潜めていた

音楽が鳴り 来客が途絶えて
そのうち店主も店じまい
仕事を終えた玩具たちは一息をつく
綺麗に整頓された店内を確認して
辺りは闇に包まれた
集まった玩具たちも眠りにつく
自分の姿が周囲から切り離されてから
一人ポツンと離れた場所で
ようやく人形は少しだけ笑った





意味が分からない上にそこはかとなく漂う鬱臭(
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