スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『絆』

家電擬人化たちの小説。
絶対誰も分からないであろうキャラとか最初は出すつもりはなかったけど、どうせなら全員出したいなと思って全員総出演な自己満足の産物。
どうせ興味ない人は端から読まないだろうしいいよね!ね!
ブログそのものが自己満足だしね…
でも一応、前の記事で擬人化キャラをまとめた。


消失ネタを含みます。苦手な方はご注意を。
とか一応言ってみる。
色んな意味でこんな事言う必要はないと思うけど一応だよ一応!(
*****



―――ヤマト。

………うン?

呼びかけても、ぼんやりとした返事しか返ってこない。

絆が弱まる。
繋がりが薄れていく。

そう感じ始めたのは、いつからか。



「繋がりが?」
言葉を反芻するヴォゼフに、元気なく頷く。
「分かるでしょう?仲がいいとかお互いを分かり合うとか、そういうのとはまた違う…何というか、繋がっている感じ」
クミサの問いに、ヴォゼフとハイゼは顔を見合わせた。
「…まあ、なあ?そういう風に考えたことなかったけど、繋がってるっちゃ繋がってるんかな。今は俺引退してっからそういうのはないけど」
「そう、それなんですよ!」
ヴォゼフの言葉につい大声になるクミサ。
「繋がりが薄れる感じって、どういうことなんでしょう?私が引退する時期が近付いているってことでしょうか?喧嘩…はまあ、しょっちゅうしてますけど、そんなのいつものことですし。今は特に喧嘩してるわけでもないし。お二人、そういうことってありました?」
「私はそんな風になったことはない」
静かに顔を振るハイゼに、え、と小さく声を上げる。
「んー…俺もねえなぁ。引退ん時は予め椎那ちゃんが伝えてきて、引き継いだ時にヤマトとも繋がりが切れたって感じで。ハイゼ、お前どうだった?」
「私もそうだ。薄れる感じは、なかった」
二人の答えを聞いて、もやもやと感じていた不安が強くなる。
短く礼を言って、そのままクミサは踵を返した。



心の気配に、耳を澄ませる。
かつてはヴォゼフが、ハイゼが。
そして今はクミサが、常に自分の側にいた。
どこにいても離れていても側に感じる、その繋がりは、現役で働く者とそのサポーターであるヤマトならではのものだ。
その繋がりが、存在の同一感が、近頃は薄れてきている。
常に共にある筈の相手の気配を感じない事が多くなってきた。
ずっと自分と在り続けてきたサポートの相手が、その気配が。
今は、遠い。



「クミサさん?」
ブラファードの呼びかけに、クミサはハッとしたように意識を戻した。
「…あ、はい!すみません何ですか?」
「データのコピーが終わったデスよ。結構容量が大きいデスが、このデータはどうしマス?」
横からルミが顔を出してチップをひらひらと振ってみせる。
「椎那様からの指示は特にありませんが、私が保存してチップは空にしておきましょうか?」
「そうですね、お願いしてもいいですか?」
受け答えをして、ふっと溜め息をつく。
その様子を見ていたブラファードが、歩みを戻すとそっとクミサの頭に手を置いた。
「…クミサさん」
「すみません、大丈夫です。仕事中にぼんやりしてちゃいけませんよね。すみません」
ブラファの言わんとすることに先回りして謝る。
今にも泣きそうなクミサに、小さく息を吐いてブラファードは笑った。
「不安でしょうが、大丈夫ですよ。きっと、大丈夫です」
「え」
その言葉の真意を問い返そうと顔を上げると、ブラファードは既にこちらに背を向けて作業をしていた。
「…バカヤマト」
小さく呟いて、気を取り直すように顔を振るとクミサも仕事を開始した。



何となく感じる。
自分の役割は、もう長くないだろう。
引退ということなのか、それとも消えるのか、もっと別の形を取るのか。
ケータイならば、データの引き継ぎが行われた後に自分がパートナーとなって細かい引き継ぎや業務のサポートを行う。
サポーターの場合はどうなるのだろう?
元々は現役をサポートするシステムはなかった。
現役とサポーターの繋がりは自分ががここに来て初めて出来たものだ、自分の役割が終わっても何とかなっていくだろう。
そのことに対する抵抗、異議、嫉妬、要求。
そういったものはあまりなく、漠然と自分の運命を受け入れていた。
これは決められていることなのだ、と。
寂しい。
でも悲しくはない。
ただ、とてつもない喪失感だけを感じる。



「ちょっと」
ハイゼの呼びかけにヴォゼフが振り向く。
「あいつらはどうしてる?」
「何だよ、心配なら自分で確かめてみればいいじゃんよ。こっそりと俺に聞くよりさ」
お前の優しさは分かりにくいんだよ、とからかうように言うヴォゼフと睨みつけるハイゼ。
大きく溜め息をついて、ヴォゼフが遠くを見るような目になった。
「…繋がり、回復しないみたいだぜ」
「まあそうだろうな。仕方のないことだ」
「他人事じゃねえよなあ。寂しいねえ。俺が一番長くヤマトを見てんだぜ?それにあんな憔悴しきったクミサちゃんを見るの忍びねえよ」
「だったらお前が何とかしろ」
ハイゼが、ググ、とヴェゼフの顔を掴んで、半ば脅すように睨み付ける。
「ちょ、何その無茶ぶり!ていうか先輩である俺に対してその言動はどうだろうか!」
「そういえば先輩だったな。威厳も何もないから忘れていた」
パッと顔を離して踵を返すハイゼに、酷い、とヴォゼフの叫びが返る。
そのまま歩み去るかと思いきや、ハイゼは立ち止まったまま俯き加減に呟いた。
「…分かっている。私らには何も出来ない。ただでさえ引退した身だというのに」
「…ま、そうでもないんじゃね?」
寂し気なハイゼの背中に降りかかる、ヴォゼフの場に合わない軽い声。
振り向いた彼女に、ニッと笑うとしっかりした口調で言った。
「直接どうこうってのは無理でも、何かしら俺らにも出来ることはある筈だ」



次第に悟るようになっていた。
繋がりが弱まっているのは気のせいではなく紛れもない事実であり、自分にはどうしようもない。
役目を終えるのは自分ではなく相棒の方だ。
小生意気で、人を馬鹿にしたような態度ばかりで。
それでも本当はみんなを大切に思っていると誰もが知っている。
最初からずっと一緒に働いてきて、どこへ行くにも一緒だった自分の大切な相棒。
覚悟はしていた筈なのに、その存在が占めるものは思った以上に大きくて。

ヤマトが消えた。
姿が見えない、存在を感じられない。
もう、ヤマトはどこにもいない。



「クミサ」
聞き慣れない声に驚いて振り向くクミサの眼前に、クラッカーの紙吹雪が舞い散った。
「誕生日おめでとう!」
そこにいたのは、現役で働く仲間たち、引退した先輩たち、そして普段は滅多に会う事のない大先輩たち。
「―――わ、わ…レム・ビドーさん、ムーバさん!お、お久しぶりです!わざわざ来てくださったんですか!?」
初代のレム・ビドーや、いつも眠っているムーバまでもが起きてきていた。
「可愛い後輩の誕生日だからな」
少しだけ笑うレム・ビドーに、ムーバがうんうんと頷く。
「クミサは愛されているなあ。現役組が、企画したんだよ」
驚愕に目を丸くしているクミサに、一同が顔を見合わせてニッと笑った。
「サプライズだよサプライズ!おーまえ、自分の誕生日忘れてたろ?まーた落ち込んでたんじゃねえの」
ガハハと笑うライトをルミが表情を変えずに殴る。
その横から、ミミがひょっこり現れてクミサに近寄った。
「クミサさん、誕生日おめでとうございます!みなさんを代表して、ブラファさんからプレゼントがあるんですよ!」

七月七日―――離ればなれになった恋人が年に一度、再会できる日。
それはクミサの誕生日でもあった。
二年前に初めてここに来て、一同と出会って、そしてヤマトとパートナーになった日。
そのパートナーはもういないけども。

「あ、りがとうございます…」
嬉しさと寂しさで複雑な感情のまま、ブラファードの方を見る。
「…でかっ!!?ちょ、何ですかそれ」
想像以上に大きいカゴを重そうに抱えたブラファードが、慎重にクミサの前に屈んだ。
「中身はそう大きくもないんですけどね…どうぞ、開けてください。きっと気に入ってもらえると思いますよ」
その言葉に頷いて、置かれたカゴのリボンをほどき、包装を開ける。
「…えっ」
短く声をあげて、伸ばしかけた手がビクリと震えた。
「…何マヌケな顔してんのサ」
固まってしまったクミサに、聞き慣れた、高い声が届いた。
黒光りする毛並み、、尖った耳、生意気そうな瞳。
「―――ヤマ、ト」
「他の誰に見えるってノ?ちょっと離れた間に僕のこと忘れたわケ?」
信じられないというように目を見張って、ただ凝視するばかりのクミサの手を、ヤマトの尾がピシリと叩いた。
その瞬間に一気に蘇る、失われた絆、懐かしい存在の同一感。
唐突にクミサはヤマトを引き寄せると、強く抱きしめた。
「ぎゃッ!痛い痛い苦しイ!離せバカミサ!」
「馬鹿、ヤマトの馬鹿!どこ行ってたの、何してたの!」
涙声のクミサに、詰まったように静かになってからヤマトはポツリと言った。
「…ヴォゼフとハイゼに騙されてどっか連れてかれたんだヨ。その後のことはよく覚えてなイ」
「おかえり」
「…ただいマ。バカミサ僕がいないとどうしようもないから、仕方なく戻ってきてやったヨ」
相変わらずの、上から目線で偉そうなもの言い。
二人を見守っていた一同が満足気に笑った。
ヤマトの身体に顔を埋めていたクミサが、涙目でブラファードを見上げた。
「ブラファさん。あの、どうして、こんな…」
「提案したのはミミさんデス。ヴォゼフさんとハイゼさんが裏で翻弄して、ブラファさんがマスターと共にあれこれ試されマシタ。その間ライトはまたどこかほっつき歩いていたデス」
解説をしながらさり気なく告げ口をするルミの背後で、ライトがテヘッとごまかし笑いをする。
「気に入っていただけましたか?」
「勿論です!こんな、こんなことって…この上ないプレゼントですよ!」
ブラファードの言葉に力いっぱい頷いて、もう一度確認するかのようにヤマトを抱きしめた。
「子供みたいに喜んじゃっテ。遅かれ早かれ、どうせみんな引退するの、分かってル?」
「馬鹿ね、引退するのと消えるのとは違うでしょ?引退したっていつでも会えるわ」
大先輩とは滅多に会わないが、いい例がクミサのすぐ上のハイゼとヴォゼフだ。
彼ら二人はしょっちゅう徘徊・たむろしていて、クミサや他の現役達ともよく顔を合わせる。
そのうちきっと自分も引退する。
それでも自分はここにいて、ヤマトもここにいて、憎まれ口を交わし合う日々が続くのだろう。
大袈裟に、ヤマトが溜め息をついた。
「しょうがないからもう少しバカミサに付き合ってやるヨ。やれやれ、また面倒なことやらないといけないのカァ」
涙目のまま、にっこり笑ってクミサが答えた。
「生意気なところは全っ然変わらないんだから。でも、バカヤマト、あんたはそれでいいのよ」



*****



実話を元にした誰得俺得小説もどき。
そうです、新しいクロネコヤマトのストラップをゲットしました(えー)
moblog_546a8544.jpg
7月7日にオークションで見つけて落として、水曜日に届いた!
これを言いたいがためにこの小説を書きました(長すぎる前フリ)
非売品だからなかなか見つからなくて一つだけ見つけたらもう迷うことはなかった。
勿論私自身が気に入ってるのだが、オークションで探してまで買ったのは正直クミサへの誕生日プレゼントのためn(ry(あいたたたたー)
いいじゃんよ、クミサの隣にはヤマトがいないといけない。
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。